中頓別町国民健康保険病院 事務長 西村 智広さん
地域の人々が安心して暮らせるように
町で唯一の病院
町民の健康のよりどころ
中頓別町国民健康保険病院は、20床の入院設備をもつ町で唯一の病院です。町の皆さんは、病気やけがのときはもちろん、検診や予防接種などで誰しもお世話になったことがあるでしょう。標榜は内科と外科の2科を院長と副院長、非常勤の医師で診察し、そのほかに一般外科で月3回、整形外科が月に2回、神経内科は2カ月に一度、旭川医大から医師が来て診療にあたっています。
患者さんは高齢の方が多く、高血圧、成人病などの慢性疾患で定期的に通っている方が多数です。隣に特別養護老人ホーム「長寿園」もあるので、そちらから通院や入院をすることももちろんあります。
「地域を支える病院ということで、地域の患者さんを大事に、しっかりと医療を提供し続けるということを第一にやっております」と事務長の西村智広さん。病院の理念も、「地域住民の方が安心して暮らせるため、信頼される病院を目指します」です。
強力なチーム医療の一員に
職員は薬剤師、看護師、准看護師、介護士、看護助手、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、ケアマネジャー、管理栄養士、調理員、医療助手、事務職員、管理人など多岐にわたり、医師を筆頭に、こうしたさまざまな職種の人がチームを組んで患者さんの治療にあたっています。
ただ常にいずれかの職種で人員が不足していて、現在いるスタッフが離職すればその代わりを探さなくてはならないという、慢性的な人手不足の状態です。町内だけで人材を探すのにも限界があり、広く募集したいとのこと。実際、今いる職員も北海道内・外さまざまなところからやってきています。
資格については、あればなお可。ただ「経験・未経験、資格の有無などもあるでしょうが、資格がなくても一生懸命仕事を覚えたいという気持ちのある方なら採用したい」と西村事務長。働きながら資格をとることも応援し、実際にそれをなしとげた職員もいます。資格をとるためには職務経験が必要になる場合もあり、ここで何年か働くことがその基準を満たすことにもなるのです。
感染対策への徹底的な備えも
院内には「医療事故防止対策」「院内感染防止」「褥瘡(じょくそう)対策」「サービス向上」「栄養管理・給食」「輸血療法」などの委員会があり、それぞれが主体となって勉強会も開いて、病院の安全、医療や介護の質の向上などに常に熱心に向き合っています。
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策では、「院内感染防止委員会」が先頭に立ち、専門家の指導を仰ぎながら、勉強会を開いて感染者が発生した場合に備えています。また町民に対しても他機関とともに感染予防の啓蒙(けいもう)を繰り返し、地域の人々の感染を防ぐ一翼を担ってきました。
一般外来とは別の棟に、一般外来の診療時間を分けながら「発熱・感染症外来」を開設し、万が一のときにも一般の診療を安心して続けられるよう、備えを怠りません。入院患者の面会についても、現在は禁止とさせていただいておりますが、オンラインでの面会を行っております。今後は感染症状況を見極めながら面会の再開に向けて、感染防止とルール作りに取り組んでいきます。患者さんや家族にもよりそいながら見えない敵と戦っています。
また、新型コロナウイルス感染者を一時的に受け入れることも想定し、陰圧装置など院内感染対策に必要な機器や防護装備もそろえました。新型コロナウイルス感染症の拡大が終息した後も、さまざまな感染症の治療に有効活用していきます。
町職員として採用、夜勤のある仕事も
看護師、看護助手、介護員などは、早出、遅出、夜勤の3パターンの勤務時間をローテーションします。夜勤は月に5~6回ほど。家庭の事情などで、どうしても偏った時間にしか働けない場合は、「シフトを組む都合があったり、病院の多忙時間がだいたい決まっていたりするため、非常に悩ましいのですが、個々に相談に応じたいと思います」と西村事務長は言います。ただ、命を預かる重要な仕事であるため、また経験を積んで知識を増やし技術を磨くためにも、あまりに働く日数や時間が少ないという勤務は難しいのが現状です。
公的な病院であるため、町職員としての採用となり、給与なども町職員の規程に準じます。福利厚生もしっかりしているから安心。働き方改革を推進する職場でもあるため、忙しいとはいえ、定数以上の時間外勤務はなく、時間外手当もきちんと出されています。
時代の変化に沿った医療を提供
近年は高齢化が進み、急性期で入院する患者さんが減って、慢性疾患で療養的な入院をする人が多くなりました。地域の医療・介護にきめ細かくこたえるため、2022年7月には病院内に介護医療院(16床)をオープン、今以上に介護職が必要となっています。
町民がこの中頓別で安心して暮らしていけるよう、地域医療に万全の体制で向き合い、取り組んでいる病院です。誇りをもって働いてくれるマンパワーをお待ちしています。